午前0時、夜空の下で
「……ココ?」
ぼんやりと虚空を眺めたまま動こうとしない心に、キシナは眉根を寄せる。
今日は忙しい一日だったから疲れているのかもしれない。
「今日は早く寝ろ。瞳や髪の色は周りの者たちが目覚める前――日の高いうちに染めればいいだろう」
小さく頷いた心にキシナも一礼し、ジェイと同じく静かに退室していった。
残された心は、部屋に置かれていた寝台に倒れ込んだ。
肌触りのよい上掛けに頬を擦り寄せ、じっと目を閉じる。
頭の中で一つ一つの記憶を辿ってゆく。
だが突然勢いよく起き上がり、心はぐしゃりと髪を掴んだ。
「――思い出せない!!」
……妃月に出会った頃の記憶が抜け落ちたかのように、まったく思い出せなかった。
ぼんやりと虚空を眺めたまま動こうとしない心に、キシナは眉根を寄せる。
今日は忙しい一日だったから疲れているのかもしれない。
「今日は早く寝ろ。瞳や髪の色は周りの者たちが目覚める前――日の高いうちに染めればいいだろう」
小さく頷いた心にキシナも一礼し、ジェイと同じく静かに退室していった。
残された心は、部屋に置かれていた寝台に倒れ込んだ。
肌触りのよい上掛けに頬を擦り寄せ、じっと目を閉じる。
頭の中で一つ一つの記憶を辿ってゆく。
だが突然勢いよく起き上がり、心はぐしゃりと髪を掴んだ。
「――思い出せない!!」
……妃月に出会った頃の記憶が抜け落ちたかのように、まったく思い出せなかった。