午前0時、夜空の下で
「月が見えなくなってからもう随分経つ。我らが何をしようと無駄な足掻きだ。ならばせめて、我らが主のお力に」
少女の言葉に再び頷いた彼らは、一人、また一人と姿を消してゆく。
少女は再び空を見上げ、黒銀の瞳を微かに揺らした。
「……姫」
「ああ、……どうか、ご無事で」
空を見上げたまま小さく囁くと、少女も闇へと姿を消した。
心が黎に行くことが決まり、琅では再三議会が開かれた。
奴隷制度の廃止に貴族たちはなかなか首を縦には振らなかったものの、選ばれし姫の唯一の願いならばと結局は受け入れるしかなかった。
「……やっぱり納得できんわ」
低くそう漏らしたミスティアに、心は苦笑する。
「ココが人間だとか魔王陛下の寵姫だとかいろいろ信じられへんようなこと聞いたけどさぁ、」
「ちょ、ミスティア!」
慌てて口を塞ごうと手を伸ばしたが、届くはずもなく。
少女の言葉に再び頷いた彼らは、一人、また一人と姿を消してゆく。
少女は再び空を見上げ、黒銀の瞳を微かに揺らした。
「……姫」
「ああ、……どうか、ご無事で」
空を見上げたまま小さく囁くと、少女も闇へと姿を消した。
心が黎に行くことが決まり、琅では再三議会が開かれた。
奴隷制度の廃止に貴族たちはなかなか首を縦には振らなかったものの、選ばれし姫の唯一の願いならばと結局は受け入れるしかなかった。
「……やっぱり納得できんわ」
低くそう漏らしたミスティアに、心は苦笑する。
「ココが人間だとか魔王陛下の寵姫だとかいろいろ信じられへんようなこと聞いたけどさぁ、」
「ちょ、ミスティア!」
慌てて口を塞ごうと手を伸ばしたが、届くはずもなく。