午前0時、夜空の下で
心は諦めて、寝具に頭を戻した。
例え正夢だったとしても、心は自分の思うがままに動くだけだ。
夢の中の言葉から目を逸らし、妃月を想う。
ただ、染み入るような不安だけは、消えなかった。
出発の準備は滞りなく進められ、いよいよ黎に向かう当日となった。
黎は琅を含めた八つの大国を束ねる立場にあるため、国内に各国の国事館が設けられている。
国事館とは、外交や黎に滞在する自国民の管理など、黎国内において自国に関する処理を行う場所である。
それぞれの国で国政に携わってきた者たちが国事館員として働いており、国事館で働いて自国に戻った者たちは高い地位が約束されている。
また国事館には魔力による転移装置が設けられており、黎を訪問する際に王族はこれを利用していた。
心も皇女として、今回は転移装置を使うことになっていた。
「魔力によるものなので、移動時間はほぼありません。城の転移装置は黎国にある琅の国事館に繋がっております。皇女殿下にはまず城の装置を利用して黎に入国し、それから城へ向かっていただくことになります」
例え正夢だったとしても、心は自分の思うがままに動くだけだ。
夢の中の言葉から目を逸らし、妃月を想う。
ただ、染み入るような不安だけは、消えなかった。
出発の準備は滞りなく進められ、いよいよ黎に向かう当日となった。
黎は琅を含めた八つの大国を束ねる立場にあるため、国内に各国の国事館が設けられている。
国事館とは、外交や黎に滞在する自国民の管理など、黎国内において自国に関する処理を行う場所である。
それぞれの国で国政に携わってきた者たちが国事館員として働いており、国事館で働いて自国に戻った者たちは高い地位が約束されている。
また国事館には魔力による転移装置が設けられており、黎を訪問する際に王族はこれを利用していた。
心も皇女として、今回は転移装置を使うことになっていた。
「魔力によるものなので、移動時間はほぼありません。城の転移装置は黎国にある琅の国事館に繋がっております。皇女殿下にはまず城の装置を利用して黎に入国し、それから城へ向かっていただくことになります」