午前0時、夜空の下で
「ひどい雨だね……。早く行こう」
緊張しつつも待ちきれないといった様子の心に、キシナは仕方ないかと苦笑する。
一方でちらりと外を見遣り、若干の懸念を抱いた。
だがそれでも心なら大丈夫だろうと高を括り、いそいそと部屋を後にした心に続いてキシナも姿を消したのだった。
「お呼びするまでこちらでお待ちください」
城に着いた心たちは、控えの一室に通された。
案内したのは見覚えのない兵士で、ヴェールを上げた心を目にしても特に反応を見せることはなかった。
心が黎の王城で過ごしたのはほんの一月ほどであり、その上兵士たちと話をする機会はほとんどなかったのだから当然の結果だろうが、それでも心は寂しさを覚える。
城全体がどこかよそよそしかった。
緊張しつつも待ちきれないといった様子の心に、キシナは仕方ないかと苦笑する。
一方でちらりと外を見遣り、若干の懸念を抱いた。
だがそれでも心なら大丈夫だろうと高を括り、いそいそと部屋を後にした心に続いてキシナも姿を消したのだった。
「お呼びするまでこちらでお待ちください」
城に着いた心たちは、控えの一室に通された。
案内したのは見覚えのない兵士で、ヴェールを上げた心を目にしても特に反応を見せることはなかった。
心が黎の王城で過ごしたのはほんの一月ほどであり、その上兵士たちと話をする機会はほとんどなかったのだから当然の結果だろうが、それでも心は寂しさを覚える。
城全体がどこかよそよそしかった。