午前0時、夜空の下で
「ですから……陛下は魔王、ですね。或いは神かもしれない。あの方は、何をしても許されるんですよ。この世界を統べる方ですから」
ピタリと、心の足が止まる。
「世界を統べる……?国、じゃなくて?」
「世界を、です。各国の王を統べる、神にも等しい唯一の存在。それが、陛下です」
「……」
恍惚とした表情で語ったクロスリードを、心は戦慄する思いで見つめていた。
――私は、神にも等しい存在に自身を捧げてしまったのか。
そしてクロスリードは黙り込んだ心を見て、ゆっくりと空を見上げる。
日が、傾き始めていた。
「覚悟を決めなさい」
心とクロスリードの後ろを無言で付いてきていたアルジェンが、感情を窺わせない視線を心に向ける。
ピタリと、心の足が止まる。
「世界を統べる……?国、じゃなくて?」
「世界を、です。各国の王を統べる、神にも等しい唯一の存在。それが、陛下です」
「……」
恍惚とした表情で語ったクロスリードを、心は戦慄する思いで見つめていた。
――私は、神にも等しい存在に自身を捧げてしまったのか。
そしてクロスリードは黙り込んだ心を見て、ゆっくりと空を見上げる。
日が、傾き始めていた。
「覚悟を決めなさい」
心とクロスリードの後ろを無言で付いてきていたアルジェンが、感情を窺わせない視線を心に向ける。