午前0時、夜空の下で
「……許します。カルマさん、キシナ、一緒に来てもらえますか」
諦め混じりの溜息をついて、心はカルマを呼ぶ。
カルマは小さく頷き、すぐ後ろに控えていた数人に視線を向けて立ち上がった。
その瞬間、カルマに視線を向けられた者以外の夜族が即座に姿を消した。
カルマたちを引き連れ、心は城の中に入る。
城の者たちは先頭をゆくアルジェンの姿に通路を譲るが、心とともに仕事をしたことがある者は、物言いたげな表情で心の後姿を見つめた。
剣を抱いた心が次期魔王候補であると、彼らは気づいたのだろう。
アルジェンはやがて大きな扉の前に立ち、戸惑ったようにその手をさ迷わせた。
心にも見覚えのあるその扉は、夜会が開かれた会場であり、妃月と絶望に満ちた再開を果たした場所――大広間である。
諦め混じりの溜息をついて、心はカルマを呼ぶ。
カルマは小さく頷き、すぐ後ろに控えていた数人に視線を向けて立ち上がった。
その瞬間、カルマに視線を向けられた者以外の夜族が即座に姿を消した。
カルマたちを引き連れ、心は城の中に入る。
城の者たちは先頭をゆくアルジェンの姿に通路を譲るが、心とともに仕事をしたことがある者は、物言いたげな表情で心の後姿を見つめた。
剣を抱いた心が次期魔王候補であると、彼らは気づいたのだろう。
アルジェンはやがて大きな扉の前に立ち、戸惑ったようにその手をさ迷わせた。
心にも見覚えのあるその扉は、夜会が開かれた会場であり、妃月と絶望に満ちた再開を果たした場所――大広間である。