午前0時、夜空の下で
「陛下は、私があなたを殺そうとしていることをご存じだったのでしょう。
警備の不備や手配の失態を咎めることはありましたが、それでも私自身の感情を諌めようとすることはありませんでした。
待っていてくださったのかもしれません、私があなたを認める日を」

「……妃月さまも、そう言っていました。認めさせなければならない、と」

久遠の森で再開した夜だった。

会いたいと請い願った心に、妃月は頷かなかった。

あれはすべてクロスリードのためだったのか。

「クロスリードさん、あなたは……」

「私は陛下に救われたのです。陛下が即位する随分前から、お傍に置いていただいておりました。
……私にとってあの方がすべてであり、ただ一人の主なのです」
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