午前0時、夜空の下で
「ココロ様」
静かに涙を落とす心の背に、優しく声がかけられる。
「シリア……ルヴェータさんも」
心が黎にいた頃に傍付きであったシリア、そして女官長のルヴェータが深く頭を下げていた。
二人はあの頃と変わらぬ優しくも厳しい瞳で、心を見つめる。
「クロスリードは私どもにお任せください。ココロ様はどうぞ、終の間へ」
「でも」
「陛下も、そちらにいらっしゃいます」
女官の禁を破って主の言葉を遮ったシリアは、強く心を促した。
言外に諭されて、心は涙を拭い立ち上がる。
二人にお願いしますと声を掛け、心は哀しみと静けさに満ちた大広間を後にした。
静かに涙を落とす心の背に、優しく声がかけられる。
「シリア……ルヴェータさんも」
心が黎にいた頃に傍付きであったシリア、そして女官長のルヴェータが深く頭を下げていた。
二人はあの頃と変わらぬ優しくも厳しい瞳で、心を見つめる。
「クロスリードは私どもにお任せください。ココロ様はどうぞ、終の間へ」
「でも」
「陛下も、そちらにいらっしゃいます」
女官の禁を破って主の言葉を遮ったシリアは、強く心を促した。
言外に諭されて、心は涙を拭い立ち上がる。
二人にお願いしますと声を掛け、心は哀しみと静けさに満ちた大広間を後にした。