午前0時、夜空の下で
第20話
アルジェンの誘導で回廊を進んでいると、腕に抱いた魔剣が微かに震え始めた。
驚いて立ち止まると、アルジェンも歩みを止め、心を振り返る。
「……ここが限界ですね。ココロ様、これより終の間に向かいます。終の間にて終の継承をなさってください。
終の間に入れるのは、魔王陛下と次期魔王候補の方のみでございますので、私は終の間の扉に控えて見届けの任を務めさせていただきます」
「ココロ様、お気をつけて」
「こちらでお待ちしています」
アルジェンの言葉に続けて、キシナとカルマも立ち止まり頭を下げた。
一人で入ることに不安を感じたが、仕来りなのだろうと理解して頷く。
そうして二人で歩くうちに、それが仕来り云々の問題ではないことに気づかされる。