午前0時、夜空の下で
「……魔族?」

門の外には異形の者たちが蠢いていたのだ。

少女が門の内側に入った瞬間、わらわらと集まってきたようだ。

魔族は門の内側には入れないのか、外は徐々に魔族で埋め尽くされてゆく。

もし、少女が門の外にいるうちに、魔族が集まっていたら――。

恐ろしい考えに心は身を震わせた。

少女の目に魔族の姿は映っていないようだったが、何か感じとっているのだろう、少女は強引に洋館の中に入り込んだ。

不安げな表情のまま、少女は何かに誘われるかのようにふらふらと進んでゆく。

少女を見守りながら、心は洋館に渦巻く膨大な天力と微かな魔力を感じ取っていた。

一体、この洋館は何なのか。

心の疑問をよそに、少女は躊躇いつつも、ゆっくりと地下に下りて行った。
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