午前0時、夜空の下で
クロスリードの話に従えば、心の真上に月が存在するまさに今、新たな一日が始まったのだ。
青白い月に見守られて、心は妃月に視線を落とす。
彼はまだ静かな眠りについており、ちらとも起きる気配がない。
まるで眠れる森の美女のようだと、心は笑ってしまった。
「私が王子さまなのか」
笑いながら、そっと妃月に手を伸ばす。
瞬いた目から、涙が零れた。
――王子さまでも女王さまでも、何でもやるから……早く、目覚めて。
目を閉じて、震える唇をしっとりと押しつけた心の背中に、力強い腕が回される。
はっと目を開けた心に、切ないほどに焦がれ続けた声が届く。
「……心」
静かな夜の世界で、冴え冴えと輝く月だけが、想いを交わし合う二人を見守っていた。
青白い月に見守られて、心は妃月に視線を落とす。
彼はまだ静かな眠りについており、ちらとも起きる気配がない。
まるで眠れる森の美女のようだと、心は笑ってしまった。
「私が王子さまなのか」
笑いながら、そっと妃月に手を伸ばす。
瞬いた目から、涙が零れた。
――王子さまでも女王さまでも、何でもやるから……早く、目覚めて。
目を閉じて、震える唇をしっとりと押しつけた心の背中に、力強い腕が回される。
はっと目を開けた心に、切ないほどに焦がれ続けた声が届く。
「……心」
静かな夜の世界で、冴え冴えと輝く月だけが、想いを交わし合う二人を見守っていた。