午前0時、夜空の下で
第4話


初めて出会った日から、何度月が昇り、そして沈んだであろうか。

心は今日も魔王の寝台で目覚めた。

隣はすでにもぬけの殻。

いつものように起き上がると、そっとバルコニーの方へ歩み寄る。

「……起こしてくださればよかったのに」

思わず口から零れ落ちたのは、不満げな声。

以前心が目覚めた時、バルコニーで夕焼け色に染まる妃月を目にしてから、二人で夕日を眺めることが習慣となっていた。

そんな穏やかなひとときが、心にとって最も好きな時間だったりする。

今日も一人夕日を眺めていた妃月は、心の声に口角を上げた。

「よく寝ていたからな。……昼頃まで、クロスリードにいろいろと習っていたのだろう?」
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