午前0時、夜空の下で
赤く彩られた唇から、鈴を転がすかのような声が零れ落ちる。
「……え?」
戸惑う心に構わず、カザリナは悠然と微笑むと、優雅に一礼して去っていった。
嫌味のない口調。
丁寧な物腰。
『相変わらず、カザリナ様は素晴らしく洗練された方ね。陛下の寵愛を受けている女性にも、礼節を忘れないなんて。……あの方こそ陛下の愛人に相応しい方だわ』
誰かの囁きに、心の動きが止まる。
「…あ、の……ココロ様……?」
気遣うようなアルジェンの声に、心はハッと我に返った。
窺うように口を開こうとした彼を、有無を言わさず笑顔で拒絶する。
「すみません、アルジェンさん。私、もう戻ります」
「……え?」
戸惑う心に構わず、カザリナは悠然と微笑むと、優雅に一礼して去っていった。
嫌味のない口調。
丁寧な物腰。
『相変わらず、カザリナ様は素晴らしく洗練された方ね。陛下の寵愛を受けている女性にも、礼節を忘れないなんて。……あの方こそ陛下の愛人に相応しい方だわ』
誰かの囁きに、心の動きが止まる。
「…あ、の……ココロ様……?」
気遣うようなアルジェンの声に、心はハッと我に返った。
窺うように口を開こうとした彼を、有無を言わさず笑顔で拒絶する。
「すみません、アルジェンさん。私、もう戻ります」