午前0時、夜空の下で
ひどく擦れた声で呼び掛けた心に、彼女は晴れやかな笑顔を見せた。

「お可哀相なココロ様」

やはり陛下にからかわれていらっしゃったのですね、と。

それはそれは楽しそうに、彼女は言葉を紡ぐ。

ズクリ。

慰めの言葉は、散々言われてきた罵詈雑言よりも深く、胸に突き刺さった。

「ねぇ……ココロ様。カザリナ様は、陛下の側妃となる方なんです。きっと……陛下は毎晩、カザリナ様とお過ごしになるでしょう。私、ココロ様が陛下からそのような扱いを受けてカザリナ様が蔑ろにされるなんて、耐えられません。ですから……人間界に、お帰り下さい」

青ざめた顔で小刻みに震える心に、メイジーは甘い毒を囁く。
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