午前0時、夜空の下で
完全に血の気が引いた顔でそちらに目を向ければ、何人もの醜男がぞろぞろと歩み寄ってきた。

「白い肌、うまそーだなぁ」

「待てよ、食う前に遊ぼうぜ? 女なんて久しぶりじゃねェか」

異様に白い肌の男。

獣の顔を持った男。

角が生えている男。

何人もの男が、気味の悪い笑みで牢の戸を開け、近づいてくる。

あまりの恐怖に声も出ず、ガタガタと全身が震えていた。

騙されたのだ。

ここは人間界ではない。

おそらく母親の奈美が倒れたというのも、メイジーの嘘なのだろう。

その時、不気味なほどに目の大きな男が、まじまじと心を見つめた後に舌打ちをした。

「この女、もう誰かに喰われてらァ。首に噛み跡が残ってんぞ」
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