午前0時、夜空の下で
ニヤニヤと歪んでいた口元はだらしなく開き、ぎらついていた瞳は虚空を見つめている。

ズルズルと、地を這いながら心の傍に近づこうとはするものの、その動きは恐ろしく緩慢だ。

思わず変化に戸惑ってしまったが、蔓延る男たちを容赦なく踏みつけると、心は牢の外へと駆け出した。



随分長い間、眠ってしまっていたらしい。

日の上がった空を見上げ、眉根を寄せた。

全身がギシギシと軋むかのように痛む。

牢屋から抜け出した心は、階段を上った先で窓を見つけ、外に見張りがいないことを確認すると躊躇なく飛び降りた。

ぐるりと周囲を見渡す。

視界に広がる光景に、嫌な汗が流れるのがわかった。

――森。

鬱蒼とした木々が、目の前で騒ついている。
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