午前0時、夜空の下で
真っ赤なドレスは所々破れ、腕には数えきれないほどの擦り傷ができた心は、見るも無残な姿だ。

木々には葉が繁っており、中はじめじめとしていて薄暗い。

このまま夜になってしまったらと考えるとゾッとしない。

一歩進むたびに、足の傷が増えていく。

当然だ。

心は素足なのだから。

ヒールを脱ぎ捨てたあの時の自分を殴ってやりたいと、朦朧とする頭で考える。

ドレスを裂いて腕や足に巻き付けてはいるが、あまり役には立っていなかった。

足元は石が少なく、木の葉がたくさん落ちていてやわらかかったが、所々転がっている木の枝は、柔らかい肌を傷つけていく。

震える体を叱咤して。

溢れそうになる涙を我慢して。

ただ、前だけを目指す。
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