真昼の月
虫も殺さない悪魔
「はぁっ、、、っ」
肩で息をする私の目元を覆う布が取られ、手首の自由を奪っていた、ネクタイがほどかれる。
光になれない目に苦労しながら、起き上がると、床に散乱する服を慌ててかき集めた。
そんな無様な私を、あざ笑うかのように
少し離れた場所で、うすら笑いを浮かべる男……
その手には、数枚の写真。
わざとらしく、見せつけるかのようにそれをひらひらと動かし笑う。
「かえしてよ・・・」
下着だけ身につけた格好で、男を睨みつけた。
「ん?そんな言い方でいいのかな?」
見下したような言い方に、
胸に湧きおこる嫌悪感。
なんで、
今になって、そんなものが……
どうして、今更……
そう思いながらも、逆らう事が出来ない。