君がいた夏


「菜穂!ごめん、今日、私バイトだから一緒に帰れないや・・ごめんね!」
「了解でーす」

放課後
明美と別れると、私は
1人で雑貨屋にいく。

小さなウサギのストラップをかった。
その帰り近くのコンビニで
飲み物を買おうとレジに並んでいると・・

「あれ、昼の・・・・」
「あ」

私が並んだ列のレジの担当に昼間ぶつかった彼がいた。

「昼はごめんね」
「私もぼーっとしてて・・・」
「買い物?」
「・・うん、そっちはバイト?」
「うん」

そんな会話をしながら
彼は私の選んだジュースにシールを貼る。

「・・・名前、何て言うの?」

少しの沈黙のあと
彼はそう呟いた

私は
ジュースを受け取りながら

「1年B組の、高嶋菜穂です」
「1年E組の、川上歩です」
「同い年?」

私は川上くんを見つめる

黒い短髪に
真ん丸い目、制服からのぞく腕の筋肉は意外にしっかりしてる

「うん、みたいだね。よろしく、高嶋」

そう言って
昼休みと同じように無邪気に笑う

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