君がいた夏
少し不安そうな瞳が
私のすべてを奪っていくような感覚に陥る。
「……そばに、いてほしいのは……私も同じです。先輩がいないなんて、耐えられそうに、ないから…」
涙をぐっとこらえて
笑う。
「先輩、私はずっとそばにいます……だから」
顔をあげて先輩をしっかり見つめる。
「そばにいてください…ずっと」
震える声でその言葉を口にしたら
涙が溢れてきた。
その涙を先輩が優しくぬぐってくれる
そして…
先輩の唇が“約束する”
そう動いたのを見たけど
すぐに先輩の唇は私の唇に触れていた。
とてもとても静かな冬の夜だった。