君がいた夏


クリスマス

私は
赤のチェックのワンピースとブーツという少し大人っぽいおしゃれをして先輩を待つ。

「お待たせ、ごめんね」

しばらくして私服の先輩が来る。

か、かっこいい……

先輩はジーパンにダウンを着るというシンプルなコーデ

でも何故かそれが似合う。

「菜穂ちゃん?」
「はっ!……なんでもないです、行きましょうか」

私は苦笑いをして先輩の、手をとる。
そして、イルミネーションがたくさんある場所に向かう。

「綺麗、ですね」
「うん……菜穂ちゃん、こういうの好きなんだよね?」
「はい!なんだか、気持ちが落ち着くし、可愛いし」

私が笑って答えると先輩も笑ってくれる。

こんな当たり前のことが幸せで
少し握った手に力をこめる。

こんな幸せが、ずっと…続いてほしい。

そう、願いを込めて…


「……そういえば、今日の服可愛いよ」

いきなり先輩に服を誉められ思わず固まる。
先輩は不思議そうな顔をして私を見つめ、笑った。

「思ったことを言ったんだけどな」
「あ、いえ、その、えぇ、はい。…………ありがとう……ございます……嬉しいです」

私は赤いであろう顔を隠すように下を向く。

「……先輩も、かっこいいです…」

さらに体温が上がったのがわかる。
先輩はからかうように私の耳にさわった。

「っ……」

くすぐったくて私は少しビクッと肩を揺らす

「そんな耳まで真っ赤にして……でも、嬉しいよ、ありがとう」

先輩は本当に嬉しそうに笑った。
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