君がいた夏
「つけるね」
そう言うと先輩はネックレスをつける。
「似合ってます…」
「ありがとう、大事にする」
先輩が私の頭を撫でる。
やっぱりこれ、癖なんだな。
私が、そんなことを思ってると
先輩が鞄からなにかを取り出した。
「俺も、クリスマスプレゼント」
「え?」
「気に入ってくれると、いいけど」
先輩はそう言って私に袋を渡す。
「あけて、いいですか?」
「もちろん」
私はゆっくり開ける。
そこには
NAHO と、ガラスに書かれ、桜のガラス細工のついた
キャンドルセットが入っていた。
「可愛い!」
思わず先輩の顔を見て言ってしまう。
私がありがとうございますと、言おうとしたとき
先輩が私の手をとった。
そして
ゆっくり自分の唇につける。
「っ?!」
心臓がはねた。
ドキドキと、鼓動が速くなる。
先輩?
「………菜穂」
いきなり名前で呼ばれ私は背筋を伸ばす。
「はい…」
「菜穂、俺は生涯菜穂を好きでいることを誓うし、悲しませないと誓う」
「?」
私は首をかしげる。
どうしたんだろう……