君がいた夏

縮まる距離



「はぁ……」

今日、何度目のため息だろう。

私、城田明美は窓の外を見つめる。

「明美?あーけーみー」
「え?ごめん、なに?」

私に呼びかけるのは親友の菜穂。
可愛らしい顔にちょっと茶色いセミロング

ずっと好きだった先輩とはれて恋人となった菜穂は
すごく幸せそうだ。

親友として嬉しい面もある
ただ、同時に羨ましいとも思う

そんな私が恋してるのは

「大丈夫かよ?ずっとため息ついてる」

菜穂の隣にいる
川崎歩

「大丈夫…」

笑って答えると歩は心配そうに私のおでこに触る。

「……熱は、ないみたいだな…」
「大丈夫だって」

私は熱くなる顔を隠したくて下を向く。
ちらりと菜穂を見ると驚いた顔をしていた。

歩は何も意識してないんだろうな…
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