君がいた夏
「歩?」
「保育園、どこだ?」
「え、第2春ヶ崎保育園…」
「わかった。お前、一人で帰れるか?」
私は歩を見つめてうなずく。
もしかして…
「歩、まさか」
「弟迎えにいって、飯作ってやる」
「でも……」
「いいから、弱ってるときぐらい甘えろ」
歩は、私の頭をなでる。
少し涙が出そうになってうつむいて
「ありがと………」
消えそうな声で呟いたら歩が私をたたせた。
「校舎までは一緒に出よう」
私は歩に支えてもらえながら
校舎までいく。
「じゃあ、俺は迎えにいってお前の家行くから」
「……うん…」
「弟、家の場所わかるよな?」
「大丈夫だと思う」
歩はうなずくと
走って保育園にむかった。
私はその後ろ姿を見つめて高鳴る鼓動をおさえた。
家に帰ると
私はベットに横たわる。
体温計で計ったら少し熱があった。