君がいた夏
「いえ。すみません・・・」

先輩は私に目もあわせずに
屋上に続く階段を上がっていく。
なんか不機嫌?

「も~~~・・・・」

おいてかれた女の人は
唇をとがらして教室に戻っていく

「・・・・」

私は
もう誰もいない階段を見つめる

「じゃあ・・・俺はこれで」
「あ、うん」

川上君は教室の方へ歩いていく

私も自分の教室の方に体の向きを変える。

だけど
足は前には動かなかった。

携帯を取り出して
明美にメールをする。

[ごめんね。少し寄り道します]

私は
階段を上る。

屋上に続く階段を。

傷つくって分かってる
だけど
もう止められない。

ドアにてをかけると
携帯が鳴る。

[了解(^-^ゞ放課後ちゃんと聞かせなさいよ?  頑張れ]

ありがとう明美。
頑張ってくるね。

ドアを開ける
生暖かい風が吹くなか
先輩は真ん中に寝っ転がっていた

「・・・・」

先輩に近づく。
ゆっくり一歩、一歩。

「何か用?」

するといきなり
寝ていると思ってた先輩が
口を開いた。

「・・・・起きてたんですか?」
「変態がきたから起きた」
「変態じゃないですっ!!!」

私が叫ぶと先輩は
起き上がりながら笑った。

「ははっ」


笑顔は変わらないんだね・・・


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