君がいた夏
どれくらい時間がたっただろうか…
私の鼻を良い匂いがかすめる
「………歩?」
私は起き上がり台所に立つ歩に声をかける。
リビングには、海斗がゲームをして座っていた。
圭斗と瑛斗は歩の両脇にたってる。
「お、起きたか?大丈夫か?」
「ねぇねぇ、歩ー、何作ってんのー?」
1番下の瑛斗が歩に聞く。
「んー?カレーライス」
「まじで俺めっちゃ好き」
2番目の圭斗が笑う。
海斗はゲームから目を離し私を見つめる
「歩さんって姉ちゃんの彼氏?」
「はぁ?!」
私は思わず声をあげる
「そうなのー?歩ー?」
瑛斗が歩に聞く。
私は、ちょっとうつむく。
違うって言われるに決まってる
私は心の準備をして少し目を閉じる
でも、歩は
「え?あー、そうだなぁ……どうかな?」
「お?姉ちゃんやるね」
海斗がからかうように言う。
私は歩を見つめる。
「………さ、飯にしよう」
歩は少し気まずそうに顔をそらした。
私たちはそれから食事をして
弟3人が寝静まったとき
お兄ちゃんから電話がかかってきた。
「はい」
『明美か?…菜穂ちゃんから、倒れたって、大丈夫だったか?ごめんな』
「ううん、大丈夫……同じ学年の子が助けてくれたの」
『………男、だろ?』
「え?!」
私はお兄ちゃんの言葉に思わず驚く。