君がいた夏

生きること 桐side




俺には幼馴染みが二人いる。

一人は
いつも優しくて人の気持ちを良くわかってる俺の親友
親が両方違う家庭を持っていたことがわかって
そいつは、お腹に新しい命が宿っていた自分の母親についていった。


もう一人は
両親を同時に失い
傷ついてるはずなのに俺の前では笑顔で泣き顔なんて見たことなかった
いつからか、我慢しすぎた彼女は誰かがそばにいないと不安になり好きだった奴に依存し始めた。


二人とも
俺には欠かせない大切な存在なんだ

だけど
俺は二人が辛いときに背を向けた。

支えてやれなかった


だから
今度こそ俺は支えると決めた

あいにく、俺の親友には大事な人ができて
その子が俺の出る幕はないぐらいに支えてくれてる

もう一人の幼馴染み。
松原紀衣。

彼女をいつから幼馴染みと見なくなったっけ。
覚えてないな。

叶わないなんて分かってたから
何度も諦めたけど
それでも、紀衣が苦しんでるのをまた見過ごすわけにはいかなかった。

俺も、依存してるのかもしれない。


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