君がいた夏
「桐?……夢じゃない?」
「夢なんかじゃない」
「……わたし、も………好き」
え?
俺は思わず紀衣を見つめる
「……今日、好きだって気づいて……しかも、結構前から好きだったんだって、気づいて」
「!………まさか、決心って………」
俺は紀衣の海で言ってたことを思い出す
「気持ち伝えるかって決心……」
「……じゃあ、さっきの電車でまさか」
「言えるかと思ってたんだけど……」
俺は頭を抱えた
「………なんだ………てっきり、お前はまだ優陽のこと……うわ…俺、かっこ悪」
最悪だ。
一人で嫉妬して………