君がいた夏
そんな俺を紀衣は抱き締めた。
「!」
「……桐?私がいるよ」
「……っ………ばか。生意気だな」
「……ふふ」
俺は紀衣を抱き締め返す
「俺がいる。……だから、付き合ってくれますか?」
「………はいっ………」
何度遠回りをしただろう。
何度傷つけ、傷ついただろう
立ち止まったりもした
これからも立ち止まることはあるだろう。
だけど
もう下を向くことはない。
君が隣にいるから
俺は
前を向ける
二人で歩いていこう
そして
幸せになろう。
俺がいる。
俺が…守るよ。