君がいた夏


「……先輩?」
「…悪かった………」

先輩の、抱き締める手が強くなる

「お前を不安にさせたのは、俺なのに……自分勝手な感情で振り回した…」
「……そんな私こそ、先輩を信じれなくて」
「違う……信じられるとか信じるとかそういうのは、別に良いんだよ…」

私は先輩の顔を見つめる

「…お前の不安に気付けなかった自分がムカついたんだ…ガキだろ?」
「…ガキなんかじゃ、ないです…私が言えばよかったんです」
「……俺は、今年受験生で中々会えなくなることもあるかもしれない…だけど、もう離すことは絶対しない」

先輩の言葉に涙が溢れる
抱き締められたまま、先輩が私の涙をぬぐう
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