君がいた夏


「四年前と、同じ状況かもしれないけど…俺は絶対離れない…いや、離せない」

先輩は優しく笑った。

「っ………離、さないって、約束して……わたし先輩が受験生で大変でも支えるから……先輩のこと信じるって決めたの」

私も涙をこらえて笑う。
そんなわたしを見て先輩がもう一度抱き締めた。

「…離さないって約束するから……俺を信じてくれ」
「うん……信じる」

私も先輩を抱き締め返す。

「……俺は、お前を離すつもりはないから」
「……はい」

私が、頷くと先輩は耳元に口を寄せた






「愛してる」




胸に染みていく。
こんな気持ち、初めて…

「私も、愛してます……」

先輩
私はあなたを信じます

そしてずっと
そばにいたい

だから

あなたもそばにいてください
ずっとずっと

私のとなりにいてください

またすれ違いや
悲しいこともあるかもしれない
それでも

二人なら大丈夫だと信じてる。

未来は
誰にもわからない。

だけど
実現することはできるはずだから
私は願うだろう。

あなたのいる未来を………







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