君がいた夏
鐘が鳴る。
私はドアの前にお父さんとたつ。
少し緊張してるお父さんを見て私は微笑む
「……今まで、ありがとうね…お父さん」
「…幸せになりなさい」
「はいっ」
潤む瞳を必死に隠しながら
私はしっかりうなずいた。
そして
ドアが開いた。
「菜穂~綺麗だよー」
「おめでとう」
明美と歩が笑ってる
「菜穂ちゃん、おめでとう」
「菜穂、旦那をよろしくな」
桐さんと紀衣さんも、笑ってる
そして
私は道の先に待っている愛しい人の姿を目にうつす
「………菜穂、綺麗だよ」
私の家族になる、藤堂優陽。
彼もまた今までで一番綺麗な顔で笑っていた。
笑顔で溢れてる
この空間で私は、彼と家族になる
白いスーツに身を包む優陽。
とても、似合ってる
「優陽も、かっこいい…」
「…ありがとう」