君がいた夏

そばにいることを
先輩は許してくれるのかな?

不安は
たくさん募っていく

だけど
色んな不安をふりきって前を向くしかない

「菜穂?」
「え?」
「いや、呼んでも気づかなかったから・・・・」
「あ、ゴメン」

明美は心配そうに見ていた

「とりあえず、帰ろうぜ」

川上くんが笑顔で
私たちに言う

「そうだね」
「うん」

川上くんの言葉にうなずいて
私たちは3人で歩き出した

歩き出してすぐ

~♪~~♪

「私だ」

明美の携帯が鳴る

「もしもし、圭斗?・・・どうしたの、・・え?!海斗が熱だした?・・・わかった。買い物してから帰るから、うん」

明美は携帯を閉じる

「ごめん、弟熱だしたから、買い物してから帰るね。先帰ってていいよ」
「付き合うよ?」
「大丈夫、菜穂考えたいこととかあるでしょ?」
「・・・・明美」

私は明美を見つめる

「また後でメールするよ」
「わかった」

明美はそう言うと走り出す

「城田って弟いんの?」

明美の後ろ姿を見て
川上くんが呟く

「うん、3人下にいるよ。海斗君と圭斗君、瑛斗君じゃなかったかな」
「3人か」
「明美一番上のお姉さんだから」

私が笑うと
川上くんは何か分かるってため息混じりに言った。

「じゃあ、帰ろうか。川上くんどっち方面?」
「あー・・・いいよ。送る」
「え、でも」
「大分暗いし、じゃ。行こ」

そう言って川上くんは
強引に歩き出す

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