君がいた夏
「それを覚悟で言ってるの?」
明美は下を向く私に
優しく問いかける
「・・・・先輩に彼女ができても菜穂は我慢できる?」
我慢・・・?
先輩に彼女?
先輩にとって特別な存在が
彼の優しい笑顔が誰かに向けられることを
私は
斜め後ろで
ただ見てるだけで
先輩がその人の事を愛しそうに見るのを
ただ斜め後ろで?
優陽先輩がふらつきそうになったのを支えられるのは
その人
私に・・・・
耐えられるはずがない