君がいた夏
「・・・先輩の・・・・」
私は
顔をあげて明美を見る
「特別になりたい・・・・」
消えそうな声で
確かに私はそう言った
口にしたら
気持ちは溢れてきた
優陽先輩の隣を歩いて
彼がふらつきそうになったら
私が支える
他の人には
渡せない
初めて強く思った
「バカだね、我慢なんてしなくていいんだから」
明美は笑った
「先輩との後数センチの距離を縮めないとね」
「うん」
「応援するから」
「うん!・・ねぇ、明美」
「なに?」
「ありがとう。ホントにありがとう」
明美がいてくれて良かった
明美がいたから
私はここまで歩き出せた
また
頑張ることができたよ
「いーの。親友には幸せになってほしいから」
「私も、明美に幸せになってほしいよ」
そう言って
笑いあう
きっとこれから
辛いことが沢山あるかもしれないけど
明美がいれば大丈夫
だから明美。
明美が辛くて泣きたいときは
私がいるよ。
それだけは忘れないで。