君がいた夏
「ほら、あの人だよ」
明美は教室の真ん中にいる人を指差す
それは
まるでスローモーションのようにゆっくり時は流れた
その人が振り向いて
私と目があって
彼が目を見開くまで…
きっと一瞬の出来事なのかもしれない
だけど…たしかに私にはスローモーションのように見えた
だって
彼は…
「優陽先輩………?」
私は
確かめるように小さく呟く
彼は私の言葉に驚きながらも
あの頃と変わらない
困ったように優しく笑って
彼もまた小さく呟いた
「…久しぶり、菜穂ちゃん」
嘘だ。
信じられない
信じたくない
「明美…私帰る…」
私は彼から目線を離さずに
明美にそう言った
「ちょっと菜穂?!」
人混みを半ば無理やり突っ切り
誰もいない一番奥の階段まで走り出す
私が足を止めた瞬間
誰かが私の手を掴んだ
「はぁっ、はぁっ…なんで逃げるんだよ」
振り向きたくない
振り向けば彼がいる
忘れもしない
私の中学の元カレ
変わらない声が背中に届く
振り向かずにはいられなかった
だって
やっと会うことができた…
明美は教室の真ん中にいる人を指差す
それは
まるでスローモーションのようにゆっくり時は流れた
その人が振り向いて
私と目があって
彼が目を見開くまで…
きっと一瞬の出来事なのかもしれない
だけど…たしかに私にはスローモーションのように見えた
だって
彼は…
「優陽先輩………?」
私は
確かめるように小さく呟く
彼は私の言葉に驚きながらも
あの頃と変わらない
困ったように優しく笑って
彼もまた小さく呟いた
「…久しぶり、菜穂ちゃん」
嘘だ。
信じられない
信じたくない
「明美…私帰る…」
私は彼から目線を離さずに
明美にそう言った
「ちょっと菜穂?!」
人混みを半ば無理やり突っ切り
誰もいない一番奥の階段まで走り出す
私が足を止めた瞬間
誰かが私の手を掴んだ
「はぁっ、はぁっ…なんで逃げるんだよ」
振り向きたくない
振り向けば彼がいる
忘れもしない
私の中学の元カレ
変わらない声が背中に届く
振り向かずにはいられなかった
だって
やっと会うことができた…