君がいた夏
「ん・・・・」
数分もしないうちに目を覚ました菜穂ちゃん
「あれ、私・・・」
「熱だってよ、昨日、雨に30分ぐらいあたったからじゃねーの?」
「・・・・なんで知って・・・」
菜穂ちゃんは目を見開いた
「保健の先生が言ってた」
「あぁ・・・一度送ってもらったんだった」
菜穂ちゃんは天井を見上げて苦笑いしてる
「・・・アホだろ。なんで嘘ついたよ、一緒にさせば良かったろ?それかほっとけば良かったじゃねーか」
俺はため息混じりに言った
「変な噂がたったら先輩に迷惑かかるし、それに・・・試合できない先輩は見たくないんです」
そう笑った菜穂ちゃんはやっぱり輝いていた
「・・・高嶋・・・・」
「大丈夫。私は試合ないので」
俺たちは顔を見合わせて笑った
それを
紀衣が見ていたことも知らず。
それから菜穂ちゃんと俺は
急激に仲良くなった
恋仲になったのは
7月の上旬
絶対に大切にすると心に決めたはずだった
だけど・・・・
「紀衣?話ってなに?」
「優陽・・・」
放課後
菜穂ちゃんを待たせて
俺は紀衣に呼び出されていた
「菜穂ちゃんが待ってるから」
「・・・・優陽、後輩と付き合ってるの?」
「あぁ」