君がいた夏
大切な存在
「・・・・」
優陽先輩の中学時代の話を聞き終わった私は
1つため息をついた。
でも
1つ疑問があった
「でも桐さん、それだけだと紀衣さんを先輩が、必要以上にかまってる理由がわからないっていうか・・・」
私は口ごもった。
何となくしっくりこない。
「あぁ・・・それはね、やっぱり優陽から気いた方がいいよ」
「え?」
「俺は詳しく知らないから。・・・ただ、多分あの状況に俺がなったら優陽みたくなるかもしれない」
あの状況?
「・・・」
「そんな顔すんなって。大丈夫だよ、アイツもバカじゃないと思うし・・・」
「・・・桐さん。優陽先輩の事を知りたいと思う事って、変なことですか?」
「・・・・そんなことない」
桐さんは笑う
「好きな人を知りたいって思うことは当たり前の事だよ」
優しく響く声に
胸が熱くなる
「・・・・うん」
「・・・大丈夫。ただ、優陽は今、一番苦しい時期なんだよね」
「・・・はい」
そううなずいたとき