君がいた夏
次の日
私は、屋上へ足を運んだ
「・・・・いない、かな」
辺りを見回す
探している人なんて
たった1人
「先輩・・・・会いたい・・」
「菜穂ちゃん?」
「うわぁっ」
私は突然背後から聞き覚えのある声が聞こえた
「先輩?!」
「・・そんな驚かなくても」
「すみません」
私は笑う
だけど
少し切なくなる
「・・・・先輩・・・聞きたいことが、あります」
「・・・ん?」
隣に座る先輩を見る
紀衣さんのこと
過去に何があったか全て
あなたの全てを聞きたい
知りたい
「紀衣さんと・・・何があったんですか?私の知らないあの夏のことを教えてください」
「・・・やっぱり、桐に聞いたんだろ?」
苦笑いをする先輩
私は小さくうなずく
「どこまで、聞いた?」
前を見ながら問いかける先輩
「私と付き合って、紀衣さんの気持ちを知った所、までです」
「夏休み入ってからは、聞いてないんだな?」
「桐さんが、それは先輩から聞けって・・・」
「そっか」
少し笑う先輩
「紀衣は、夏休み部活に来なくなった・・・・」
先輩はゆっくり話始めた