君がいた夏
歩、ありがとう。
あなたがいたから、歩いてこれた。
あなたがいたから、先輩を好きでいられた。
歩の気持ちはすごく嬉しかったよ。
だけど、もう、逃げたくないと思ったんだ。
苦しいだけかもしれない。
この気持ちは胸にしまわなくてはいけないかもしれないけど
それでも、私は先輩を好きでいると決めたんだ
片想いでも
この恋心を失いたくない
先輩の本心を聞く前に
諦めるなんてしたくないから。
私は外に出ると携帯を取り出した。
かけた人は…
「明美?今から会える?」
『会えるけど、どーしたの?』
「話したいことがあるの」
私は携帯を閉じて
いつもの喫茶店に向かった。