君がいた夏
喫茶店につくと、明美がすでに座っていた。
「明美」
「菜穂!」
「いきなり呼び出してごめんね」
「ううん、何かあったの?」
そう心配そうに私の顔をのぞく
私は笑って、今日会った出来事を話した。
「・・・・そんなことが、あったんだ」
「うん、歩の気持ちに気づいてなかったわけじゃないんだ」
「まぁね。私もそうかなって思ってたけど・・・」
明美は机に肘をおいて外を見つめながら言った
「で?」
「え?」
急に話の続きを求められて思わず聞き返す
「いや、え?じゃなくてさ。菜穂が他に話したいこと、あるでしょ?」
私は明美を見つめる
「そんな、顔に出てる?」
「思いっきりね」
「っ・・・・・今日、歩のマンションの休憩室にいったのは、先輩と紀衣さんが一緒の傘に入って歩いてたのをみてたからなの」
「そこを、川上が見つけたってことね?」
「うん、そうなの」