君がいた夏
先輩への気持ちを思い直した日から数日。
私は、進展もせず平凡に毎日を過ごしていた。
「あ・・・」
ある授業中。
私は窓側の席から見える校庭で、先輩の姿を見つけた。
「体育かぁ」
私は頬杖をつきながら見つめる
授業内容はサッカーらしく一生懸命走ってボールを蹴っている。
そして、先輩が蹴ったボールは、綺麗に弧を描いて
ゴールキーパーの手をすり抜けネットを揺らした。
「試合終了!」
笛が響き渡る。
すごい。
カッコいい。
私は早くなる鼓動を押さえるように教科書に目をやる。
「優陽。ナイスシュート」
「サンキュ」
「イエイ!」
そんな声が聞こえて私はまた先輩を見る。
すると、何気なく上を見た先輩と目があってしまった。
ドキンと音をたてて胸が鳴った
「っ」