君がいた夏


そうして、私たちは日曜日、デートすることになりました。

「やったじゃん!」
「ありがとーー」

明美に報告したら、すごく喜んでくれた。

「じゃあ、服とか買いにいかなきゃね」
「うん!」
「放課後、見に行こ?」
「そーだね!」

そんな話をしてると

「ったく、騒ぎすぎ」
「歩!」
「おー、歩。いいところに」
「帰る」

明美がそういうと、歩はきびすを返す。

「いや、男子の意見も聞かなきゃと思ってね」
「あ?」
「あの優陽先輩、どんなのが好みかな?」
「はぁ?知らねぇよ」
「いやいや、歩なら大丈夫」

そんな言い合いをしてる二人をみてふと思う。

「明美って、歩って呼んでたっけ?」
「え?」

明美はあーと言いながら笑った。

「流れよ、流れ」
「流れだな」

そういう二人。

「流れかぁ」

少し明美の顔が赤いのは気のせいかな・・・

「てゆうか、どこいくんだよ?」
「あー、一応遊園地」
「じゃあ、動きやすいのだろ。あいつのことだから、菜穂ちゃんなら何でも似合うよとか言うだろーよ」
「言いそうだわ」
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