君がいた夏
遊園地に着いたのはいいものの・・・・
「やっぱ混んでますね」
「ま、ゆっくり回ろう」
「そうですね」
すごい人だ。
先輩とはぐれないようにしなきゃ。
「わっ」
そんなことを思ってたら人にぶつかってしまった。
「す、すみません」
「菜穂、大丈夫か?」
「うん、なんとか・・・」
先輩が心配そうな顔をして私のそばにきた。
「危なっかしすぎる。ほら、手、離すなよ」
「は、はい・・・」
先輩は私がドキドキしてること、知ってるのかな。
当たり前のことが幸せすぎて
私は少しだけ握った手に力を込めた。