【長】Photo*Jumper
准が言ってた。




『稀緒ってサ、人に気ぃつかうし
 ホントいいヤツだよなー。
 でもときどき馬鹿っぽいっつーか、
 幼いときあるよなー。』




准が言ってたのは仮面を剥いだ稀緒だった。




偽りなんかない普通の中学生として




生きている稀緒の姿だった。




稀緒と幼なじみの俺は




稀緒の両親が離婚したときのことも




知っている。




稀緒が家に居場所がないって




思ってるのも知ってる。




いつからだろう・・・。




俺の前でさえ、




仮面で覆うようになったのは。




表情を失ったのは。




稀緒に




精神的ショックっていうのは




とって危険なものなのに。




俺はそれを防げなかった。




ゴメン、稀緒・・・。





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