【長】Photo*Jumper
「稀緒、私帰るわね。」




奏斗に紙をもらって書く。




「来てくれてありがと♪」




「うん、バイバイ。」




ウチも姉ちゃんに手を振る。




スッと病室の扉を閉め、




姉ちゃんは帰っていった。




「稀緒、お前あきらめんなよ。」




「ん?」と奏斗にわかるように首を傾げる。




「俺はさ、いまサッカーやってるだろ。」




聞いてるよという意味で頷く。




「今じゃ県大上位レベルだけど、
 入部した頃、俺等試合で負けてばっかり。
 何でかっていうとな、
 みんなが強い学校にあたる度、
 あきらめてたんだ、負けるって。」




悲しげに話す奏斗から目が離せなくなる。




「で、今年の春顧問が変わっただろ。
 顧問にみんな心動かされた。
 〝なんで負けるかわかるかッ!〟
 って、すっげー怒鳴られてさ。
 それでみんなわかんなくてさ。
 〝今日の部活はナシ、
  明日もミーティング!〟
 って1日考えさせられたんだ。」




「そしたらある人が言ったんだ・・・。」




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