一輪の、ひまわり。




事務所で大翔からの手紙を社長から

受け取って、


読み終わったときには


涙が止まらなかった…――



そんな私に社長が

「すまないが、私もその手紙、読ませてもらったよ。」


そう、呟いた……


「ファンレターかと思ってね、誹謗中傷が書かれていないか確認したんだ…。」


そんなっ……――



「君はまだ、彼が好きなんじゃないかね?」


社長にそう言われ、


私は


“もう、昔のことです。”


紙にそう書いた…


だけど、社長は続ける。


「じゃあどうして、そんなにも辛そうな顔をしてるんだね?涙が出るほど、好きなんじゃないのかね?」



そう言われ、私は


心の傷をえぐられたようだった。



「会いに、行きなさい。社長命令だ。」


社長は、きっぱりと

そう、言った。



「その封筒のなか、ちゃんと見てみなさい。」


社長が一言付け加える。



私は、封筒の中にてを入れた…


すると、1枚のチケットが出てきた。



高校生の頃、

よく通った


あの、体育館……――



私がいつも応援してた

あの席……――



私の頬を


大粒の涙が


つたった……―――




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