一輪の、ひまわり。
「ごめんっ……」
喫茶店について最初に言われた言葉は、
私への謝罪。
私は、持ち歩いている
小さなメモ帳に、
“何のことですか?”
と書いた。
すると、
「俺のせいで、大翔は夢を諦め、君は声を失った……」
そう言って、俯いた……
……――違う。
大翔が夢を諦めたのは私のせいで、
私が声を失ったのは私を襲った奴等のせい。
“あなたは悪くない”
俯いたままの石垣さんにそう書いたメモを見せた。
そしたら、
「ははっ……優那ちゃんは、優しいな。」
そう言って、辛そうな笑みを浮かべた。
「でも、俺のせいだよ……」
訳がわからなくて頭をかしげる私を見て、石垣さんはさらに話を続けた。
「俺があのとき、君に大翔と別れて欲しいなんて言わなきゃ、二人が別れることはなかった……。優那ちゃんと別れてからあいつは、変わった……前みたいに笑わなくなって、バスケをやる気力もなくなったみたいで……夢を諦める、そう言ってた……。」
きっと今まで、石垣さんは
自分を、責めてきたのだろう。
私は、そんな石垣さんに
“悪いのは私。石垣が私に、大翔と別れて欲しいって言ったことは事実です。だけど、別れるとこを決めたのは私だから。私、戻ります。”
と書いたメモを渡して
席を立った。
すると……