一輪の、ひまわり。


「今、助けてやっから。」


そうはいったものの、

俺は喧嘩なんて強くない。


口先だけだった。

優那のもとへ駆け寄ろうとした瞬間、

男達に阻まれ、

殴られた。


俺は抵抗なんて出来ないまま、

ただ、殴られるばかりだった。

「…もう、やめてっ……」


優那の悲痛な叫びは、

男達に届かない…――。


殴られて、

蹴られて、

どれくらいの時間が経っただろう…


「何してるんだーっ!!!」

倉庫の入口から、声がした。

多分、見回りの警官かなんかだろう。


その瞬間、

俺を殴っていた奴らは、

倉庫の裏口から慌てて逃げていった……。


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