Never Magic
「巨大お好み焼き食べたらタダだって!!」

「そうなんだ…」

「横幅三メートル…うわぉっ!美味しそう」

僕には大きすぎる。
朔とか、大食いだけだよ、そんなのを食べるのは。

「ゆっきー、タダよ」

「うん」

「あ、何だ…場所出てくるじゃんへー…よし、わかったぞぉ〜」

番組の最後に出てきた場所を頭にいれた朔。
気合いが入っている。

「倖、行くぞ。大食い目指してGO−!」

「ちょっと待って」

鞄も何も持たずに行く朔を僕は止めた。

「何?」

「鞄と言うか…財布とか…」

「ポケットの中に財布はあり、何の問題もなし!」

「あぁ、そうなんだ…」

手ぶら主義なんだなぁ。何か持ってないと何も持ってないと思われちゃうじゃないか。
朔はそんなのお構いなしに家を出た。
僕も靴を履く。
履く時に気づいた。
テーブルの上に置いた手紙の事を。
これを魔界のポストに出さなきゃいけない。
魔界のポストは僕の移空間から落とせば自動的に送られる。
だから便利なんだよね。
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